投資心理 investment psychology 2004 5 31

 誰でも、株を安く買いたい。
これは、投資家共通の心理でしょう。
 しかし、指値グセは、よくありません。
指値にこだわると、失敗することがあります。
 それは、こういうことです。
株価が動き出したので、買い注文を、指値でする場合を考えてみましょう。
たとえば、現在の株価が、456円だとします。
そこで、買いたくなったので、457円で、指値注文を出すとします。
 しかし、株価というものは、動き出すと早いものです。
パソコンのキーボードに、457円で1000株と入力しているうちに、
株価は、あっという間に、458円になってしまいます。
 そこで、あわてて、460円で1000株と入力し、送信します。
しかし、そのデータが株式市場に届いた頃には、
株価は、462円になっていることもあり得るのです。
 投資家は、「しまった」という思いと、
「今度こそ、捕まえてやる」という思いで、
心理的には、冷静さを失っています。
このような異常心理で、465円で1000株と入力し、送信します。
これならば、さすがに、約定するでしょう。
 しかし、ここに落とし穴があります。
株価が動き出した時には、まだ456円でした。
そして、あわてて注文を出して、約定したのが、465円でした。
465円でも、まだ、株価に勢いが残っていましたので、
結局、467円まで上昇しました。
 しかし、これだけ、短時間に、株価が急上昇すると、
利益確定をしたい投資家が、たくさん、出現します。
そこで、467円に、大量の売り注文が出てくるのです。
結局、この日の高値は、467円となってしまいました。
あとは、利益確定の売りが続き、463円で、終わりました。
あわてた投資家は、高値で買ってしまったことになるのです。
 これは、指値グセで失敗する典型的なケースです。
そもそも、456円で株価が動き出した時に、
成行で、注文を出していれば、458円ぐらいで買えたはずです。
指値で、なるべく安く買おうとしたつもりが、
結局、高値で買ってしまうことになるのです。
 現在の株価を確認しながら、
それに対応する買い注文の金額を考えて、金額を入力するよりも、
成行注文の方が、圧倒的に早いものです。
 どうしても買いたいならば、成行注文で、買い、
無理して買いたくないならば、指値注文で、買う。
この方が、冷静な判断ができます。

































































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